はじめに
本日は、2021年6月1日に配信されたJリーグジャッジリプレイ#13で放送された事例をまとめたいと思います。
今回の「JUDGEMENT ONE POINT LESSON」のテーマは、「選手のフィールドへの入り方」となっています。
また、柏レイソル 対 ヴィッセル神戸の試合でキムスンギュ選手と古橋選手の接触した場面についても議論がされていますので、参考にして頂ければと思います。
今後もJリーグジャッジリプレイを通して、サッカーのルールを学んでいきたいと思いますので、皆さんも参考にしていただければと思います。
DAZNのJリーグジャッジリプレイとは
- 毎週火曜日に更新
- 週末のJリーグで起こった事象(判定)についてSNSで反響のあったプレーをわかりやすく解説
- 司会は桑原さん、Jリーグ副理事長の原さん、タレントの平畠さんも出演
2021年6月1日配信のJリーグジャッジリプレイでの事例
- 2021 J1リーグ第16節 湘南ベルマーレ 対 川崎フロンターレの事例
- 2021 J1リーグ第16節 柏レイソル 対 ヴィッセル神戸の事例
- 2021 J1リーグ第17節 横浜F・マリノス 対 清水エスパルスの事例(JUDGEMENT ONE POINT LESSON)
Jリーグジャッジリプレイの映像
事例1:J1リーグ第16節 湘南ベルマーレ 対 川崎フロンターレの事例
- 川崎のチャンスの場面。旗手選手が左サイドからクロスを上げる。
- クロスに、レアンドロダミアン選手が合わせてゴールとなった。
- ここでVARが介入。主審がオンフィールドレビューを行った結果、レアンドロダミアン選手が、キーパーの谷選手へのファールがあったと判定。
- ゴールは取り消しとなった
- 今回は、この判定が正しかったか議論
平畠さんの見解
【レアンドロダミアン選手のプレーがファールだったか】
- ノーマルスピードで見たときは、レアンドロダミアン選手がヘディングが高くてすごいなしか思わなかった。
- スローで見るとレアンドロダミアン選手の右腕が谷選手の方にかかっているようにだんだん見えてくる。
- レアンドロダミアン選手は、谷選手を抑えようとしているわけでは無いが、そういう感じにどんどん見える。
【Twitterの意見】
- 谷選手を押さえつけてゴールしたわけでは無く、正当に競り合ってボールにヘディングしたと思うのですが、どこがファールだったのでしょうか
- 単純にボールをキーパーがプレーしているところを阻んでいるのですから単純にゴールの取り消しは妥当
原さんの見解
【レアンドロダミアン選手のプレーがファールだったか】
- いいヘディングだけどね
- 手を使ってのファールは自然に上げて手が肩にちょっと入っていることをどう見るかだと思う。
- 国によると思う。プレミアリーグだとどうか、イングランドあたりだとゴールになりそうな感じがしないでもない。
- ゴールでいいんじゃないかと思うようなきれいなヘディングだった。
奥谷さん(JFA審判1級インストラクター)の見解
【レアンドロダミアン選手のプレーがファールだったか】
- ノーマルスピードで見たときには、ダミアン選手のファインゴールにしか見えなかった。
- 何度も映像で見ると、ダミアン選手の右手が谷選手の腕にかかっていることもさることながら、ヘディングのポイント、谷選手のグローブ越しにヘディングをしている。
- 今回良かったのは、映像をみて素早く判断している。
事例2:J1リーグ第16節 柏レイソル 対 ヴィッセル神戸の事例
- 神戸のチャンスの場面。小林選手が前線にフィード。このボールを古橋選手がトラップするが、キムスンギュ選手と接触。
- さらに上島選手を交錯しここでホイッスル。
- 主審は、古橋選手の上島選手へのファールをとり古橋選手にイエローカードを提示。
- ファールの前にあった、キムスンギュ選手の古橋選手に対するプレーはファールではないかとの意見が寄せられている。
- この場面のジャッジは妥当だったのか。このシーンについて議論
平畠さんの見解
【古橋選手へのイエローカードとキムスンギュ選手の古橋選手へのプレーについて】
- 微妙なシーンだなという感じがするし、神戸側のアピールの気持ちはわかる
- キムスンギュ選手の古橋選手の体にドンと当たっていたらファールだと思うが、当たらずに並走するような形になったので、キムスンギュ選手はファールでは無いんじゃないかなと個人的には思っている。
- 古橋選手と上島選手の接触については、古橋選手のファールではあるがイエローカードは出さなくて良かったのではと思っている。
【Twitterの意見】
- キーパーのキムスンギュ選手が走行の妨害をしておりファールだと思います。トラップは少し長いが、ボールルートはあそこを指揮していたと思います。ボールに対して最短ルートを走行していますし
原さんの見解
【古橋選手へのイエローカードとキムスンギュ選手の古橋選手へのプレーについて】
- キムスンギュは、うまく対応したと思う。ちゃんと方向をゴール方向に向き変えて対応しいて、古橋選手を倒したらカードを貰ってしまうから、自分の方が倒れて、ファールになりそうなギリギリのところをちょうど良い案配で倒れたので、古橋選手がまっすぐ行けるところを遠回りしていかなければならなくなり、上島選手が間に合った。
- 両方合わせるとファール 以上でよかったと思う。
奥谷さん(JFA審判1級インストラクター)の見解
【古橋選手へのイエローカードとキムスンギュ選手の古橋選手へのプレーについて】
- 判断としてはDOGSO。
- あの接触が無ければ、古橋選手は確実にゴールを決めていたと思う。
- カバーに入ったキムスンギュ選手は、古橋選手の進路を妨害しており、最後には体を寄せて、自分がボールプレイングディスタンスでは無い状態で相手にコンタクトを行っている。
- ファールが無ければ、上島選手は追いつけなかったと思うので、古橋選手はシュートを決めていると思う。
- VARの介入が入らなかったのは、難しい判定という事であきらかなというところまでは行かなかったので、なかったと推測する。
- キムスンギュ選手は、古橋選手のプレーが流れたので、あのプレーだけ切り取るとファールだと思う。アフターでいっているので、ラフプレーに当たると思う。
JUDGEMENT ONE POINT LESSON
- 競技規則や判定において知っておきたいルールを取り上げて解説していくコーナー
- 今回のテーマは、「選手のフィールドへの入り方」
事例3:J1リーグ第17節 横浜F・マリノス 対 清水エスパルスの事例
- 相手選手との接触で足を痛めた清水の中村選手が一度フィールドの外に出る。
- そこでプレー再開となるが、清水側はすぐに主審の許可を得て中村選手をフィールドへ
- しかしこれが、マリノスのプレーに影響を与えマリノスの選手が抗議をする場面となった。
奥谷さん(JFA審判1級インストラクター)の解説
【ルール上は問題ないか】
- 主審が合図をしたうえで入っているので、ルール上は問題ない
【ルール上問題無いとして問題があるとすればどんなところか】
- 負傷してフィールドから離れた選手は、復帰する場合、インプレー中は今のように入ることが出来るが、その場合は、必ずタッチラインから、アウトオブプレー中であれば、ゴールラインから入れる。
- いづれも主審の合図があってからとなる。
- 主審とすれば、プレーに影響のない状況で選手を入れるのがセオリーであるので、この場合、ちょっとワンシーン待つべきだったと思う。
- 確実にボールが違う方向に行った場面で入れた方がよかった
【許可なくフィールドに戻った場合】
- 主審に許可なく、入退場はイエローカードになる。
【入る場所はどのように定義されているか】
- タッチラインのどこでもよいが、主審は副審が視野に入って入ったことが確認できるタイミングで入れるべきだと思う。
- 急にオフサイドラインが変わってしまう可能性があるので、その配慮は必要であると思う。
まとめ
今回は、2021年6月1日に配信されたJリーグジャッジリプレイ#13の事象についてまとめてみました。
今回の「JUDGEMENT ONE POINT LESSON」は、「選手のフィールドへの入り方」について細かく解説してくれていますので、参考にして頂ければと思います。
キムスンギュ選手のプレーは、現地で見ていて一瞬「DOGSO」がよぎりましたが、判定が違ったので、安心したのを記憶しています。(結論「DOGSO」だったという事でしたが)
また、事例の紹介ではありませんが、家本主審がリーグ戦の主審担当通算500試合を達成したとのお話がありました。Jリーグ28年で2人目との事で、おめでとうございます。
このような記録はあまり大々的に発表されていないので、Jリーグジャッジリプレイの中で公表されるのは良いことだと思います。
今後も、ジャッジリプレイを拝見しながら勉強していきたいと思います。
参考:本日の用語について
DOGSOとは
DOGSOについては、下記ページにまとめておりますので、参考にしてください。
第3条 競技者 8.競技のフィールド外の競技者
- 競技のフィールドに復帰するため主審の承認を必要とする競技者が主審の承認なく復帰した場合、主審は
- プレーを停止しなければならない。
- 主審の承認なく競技のフィールドに入ったことで、競技者を警告しなければならない。