はじめに
本日は、2021年4月6日に配信されたJリーグジャッジリプレイ#5で放送された事例をまとめたいと思います。
今回は、判定についての議論というよりは、JUDGEMENT ONE POINT LESSONでの議論が印象に残りました。
試合決定後の次節以降の出場停止が決まるまでのプロセス等、普段気にしない内容についても議論しておりますので、参考にして頂ければと思います。
今後もJリーグジャッジリプレイを通して、サッカーのルールを学んでいきたいと思いますので、皆さんも参考にしていただければと思います。
DAZNのJリーグジャッジリプレイとは
- 毎週火曜日に更新
- 週末のJリーグで起こった事象(判定)についてSNSで反響のあったプレーをわかりやすく解説
- 司会は桑原さん、Jリーグ副理事長の原さん、タレントの平畠さんも出演
2021年4月6日配信のJリーグジャッジリプレイでの事例
- 2021 J1リーグ第7節 セレッソ大阪 対 サガン鳥栖の事例
- 2021 J1リーグ第7節 浦和レッズ 対 鹿島アントラーズの事例
- JUDGEMENT ONE POINT LESSON(2021 J2リーグ第5節 ザスパクサツ群馬 対 ギラヴァンツ北九州の事例)
Jリーグジャッジリプレイの映像
事例1:J1リーグ第7節 セレッソ大阪 対 サガン鳥栖の事例
- 鳥栖のリスタートからの場面。セレッソ大阪の最終ラインがこのフィードを弾き返し、セレッソ大阪の攻撃が開始。
- 奥野選手のパスを受けた清武選手とファンソッコ選手が接触したところでホイッスル。
- ファンソッコ選手にはイエローカードが提示。この試合2枚目のイエローカードのためレッドカードとなり退場となった。
- リプレーを見るとファンソッコ選手のタックルは清武選手のつま先のあたりを踏んでいるように見えるが、正当なボールへのプレーにも見える。
- 2枚目のイエローカードで退場は妥当だったのか、このシーンについて議論
平畠さんの見解
- ちょっと厳しいかなという気はする。
- ファールを取ったとしても2枚目になるというのは厳しいかな
- 積み重なってという印象があるがそれにしても、あれでイエローで退場となるのは個人としては厳しいかなという印象はある。
原さんの見解
- 難しいけれどファールは取られても仕方が無いと思うけど、イエローかどうかといわれると多分このシーンだけでは無くて、1枚目のカードとのつながりが強いのではと思っている。
- ファールはファールだと思うが、イエローカードは出さなくても良かったかな
廣嶋さん(JFA審判S級インストラクター)の見解
- まず、最初のひきの映像で見た感じではボールに行ったと思った。ノーファールだなと思った。
- スローを見たときには、出した右足はボールに行く意図はあったと思うが、ちょっとだけ浮いていて足裏が少しつま先にコンタクトしている。
- スピードがある形でタックルに行っているという事は、アグレッシブさをレフリーは感じたことでイエローという判断するという事はあると思う。
- ボールにいっていて、勇気をもって止めに行かないディフェンスはいないと思うので、個人的には、イエローにするのはかわいそうかなと思った。
事例2:J1リーグ第7節 浦和レッズ 対 鹿島アントラーズの事例
- 浦和レッズのカウンターの場面。小泉選手が上田選手からボールを奪い武藤選手へパス。
- 武藤選手がそのままドリブルで攻め込むが上田選手が武藤選手を後ろから倒し、上田選手にはイエローカードが提示された。
- 上田選手のファールはDOGSOで退場とすべきだったのではという意見が寄せられていた。
- この場面でDOGSOが当てはまっていたか、このシーンについて議論
平畠さんの見解
- 見れば見るほど悩む感じがする。
- DOGSOの4要件で言うと距離と相手守備者の人数についての兼ね合いかなと思います。
- イエローで良いのでは
- 完全に抜け出している一歩手前かなという印象がある。
原さんの見解
- イエローカードでよかったと思う。
- 守備者が関川選手と町田選手が両方からきている。距離と時間を考えると最後はクロスプレーになりそうな感じもあった。
- 両方からきている感じだとSPA
廣嶋さん(JFA審判S級インストラクター)の見解
- 第一印象は、DOGSOだと思った。
- ただ、このシーンは見る角度によって大きく変わるシーンになると思った。
- 疑いがもたれる場合は、DOSGOにはしない。DOGSOにするのは、明らかな場合のみ
- DOGSOに関して意義を挟むという事になると、DOGSOでは無いという形にはなっていくと思う。
JUDGEMENT ONE POINT LESSON
- 今回から始まった新コーナー
- 競技規則や判定において知っておきたいルールを取り上げて解説していく。
- 今回のテーマは、「主審の判定が最終決定」
2021 J2リーグ第5節 ザスパクサツ群馬 対 ギラヴァンツ北九州の事例
- 北九州のコーナーキックの場面。高橋選手が蹴ったコーナーキックをファーサイドで岡村選手が合わせ、さらに富山選手が合わせる。
- ヘディングシュートは、中山選手にブロックされるが、主審はハンドを取って、中山選手にレッドカードを提示。
- しかし、中山選手は胸に当たっていたとアピール。
- リプレーを確認すると腕には当たっていないように見えたが判定は変わらず、決定的な機会阻止で退場となった。
廣嶋さん(JFA審判S級インストラクター)の解説(1) この場面について
- 審判としては、シュートとディフェンダー自身の距離が短い。
- 審判からするとどっちにしても後で映像が出てきたらミスだと言われる可能性があるため、覚悟を持ってどちらかに決めに行くシーン。
- ここでいうとディフェンスの選手の左手が上がっているので、一部でも手にかかっていたらハンドになってしまう。
- ここのところが審判としては難しかったところだと思う。
- 主審事態は、勇気をもって決断をしに行ったのだと、主審の行動というものは決して非難されるものではないと思う。
- ただ、映像で見ると胸だと思う。その中でもし他の審判員がその情報をもっていたのであれば、それをどうやって伝えるかということが大切になってくる。
- それを伝えたうえで、審判が受け入れるのか、それとも自分の考えを貫き通すのかを主審が決断する。そういうシーンだと思う。
廣嶋さん(JFA審判S級インストラクター)の解説(2) レッドカードを出した後のやり取りについて
- 選手から言われて、第4審判等に確認にいくという形になると、審判に異議しないと損だなという雰囲気を作ってしまう。
- もし、第4審判の方が胸だったというちゃんとした情報を持っているのであれば、第4審判の方は、選手に話をするのではなく、審判に伝える必要があると思う。
- こういうケースの場合は、主審は、第4審判のところに行くべきだと思う。
- 非常に大きな判定になるので、誰が見ていたかをきちんとわかる形で主審にたいして進言するべきだと思う。
- でないと誰から言われて主審が決めたのかがわからない状態になるのは、サッカーを楽しめない。楽しむ状態に戻すのは審判団の責務であると思う。
- フリーキックが再開される前であれば、判定を変えることは可能。
廣嶋さん(JFA審判S級インストラクター)の解説(3)規律委員会の判断について
- 審判は、こういう行為でこういう処置をしたと審判委員会に提出する。
- 提出したものを受けたうえで、規律委員会がどうゆう処置をするかを決める形になる。
- レッドカードが出された事実は記録上消えることは無い。
原さんの見解
- スタンドから見ても選手達のふるまいを見ると胸だったのではと思っていたので、ちょっとかわいそうな感じではあったが、動きを見ると腕で言ったようにも見えたのだと思う。
- コミュニケーションの部分やわかりやすくという部分でアシスタントレフリー等にうまく確認して、うまく言えばもう少しうまくおさまったのではと思う。
- 以前に、規律委員会については、変えられないのかという話をしたが、試合で見えていなかったことをあれはレッドカードだったよねというように変えることができないこともあり、区別が難しいとなっていた。
- 以前と違うのは、J1はVARを導入しているのでその場で修正できる。
- J2に関してはその場で間違ったとわかった事実であっても変えないままでよいのかは、議論している。(後日の出場停止について等)
- 各国の事例を調べて議論を進めていることはある。
まとめ
今回は、2021年4月6日にDAZNで配信された2021シーズンのJリーグジャッジリプレイ#5の事象についてまとめてみました。
JUDGEMENT ONE POINT LESSONですが、主審の判定だけでは無く、現状の規律委員会について等、かなり難しい議論に発展しました。
これもVARが導入されたことによって、議論が展開されているものだと思います。
ただ、色々と議論が展開され、その都度どうすることが一番良いのかを考えていくことは大切なことだと思います。それをJリーグがきちんと議論出来ているのは、正直喜ばしいことだと思いました。
まだまだ、VARを導入したことにより新しい議論が出てくると思いますが、少しずつ改善をしていきながら作り上げていくのかもしれません。
今後も、ジャッジリプレイを拝見しながら勉強していきたいと思います。
参考:本日の用語について
DOGSOについて
下記ページに掲載しておりますので、参考にしてください。
第5条 2.主審の決定
- プレーに関する事実についての主審の決定は、得点となったかどうか、または試合結果の最終である。主審及びその他すべての審判員の決定は、常にリスペクトされなければならない。
VARについて
下記ページに掲載しておりますので、参考にしてください。
関連記事:2021シーズンVAR導入内容について