はじめに
本日は、2021年5月25日に配信されたJリーグジャッジリプレイ#12で放送された事例をまとめたいと思います。
今回の「JUDGEMENT ONE POINT LESSON」のテーマは、「入れ替わりのオフサイド判定」となっています。
また、横浜F・マリノス 対 柏レイソルの試合で細谷選手が倒された場面についても議論がされていますので、参考にして頂ければと思います。
今後もJリーグジャッジリプレイを通して、サッカーのルールを学んでいきたいと思いますので、皆さんも参考にしていただければと思います。
DAZNのJリーグジャッジリプレイとは
- 毎週火曜日に更新
- 週末のJリーグで起こった事象(判定)についてSNSで反響のあったプレーをわかりやすく解説
- 司会は桑原さん、Jリーグ副理事長の原さん、タレントの平畠さんも出演
2021年5月25日配信のJリーグジャッジリプレイでの事例
- 2021 J1リーグ第15節 セレッソ大阪 対 サンフレッチェ広島の事例
- 2021 J1リーグ第15節 横浜F・マリノス 対 柏レイソルの事例
- 2021 J1リーグ第15節 アビスパ福岡 対 湘南ベルマーレの事例(JUDGEMENT ONE POINT LESSON)
Jリーグジャッジリプレイの映像
事例1:J1リーグ第15節 セレッソ大阪 対 サンフレッチェ広島の事例
- セレッソのチャンスの場面。右サイドのクロスからクリアボールを拾った坂元選手がシュート
- こぼれ球をセレッソが拾うが清武選手のパスをサンフレッチェ広島が奪いカウンターに。ジュニオールサントス選手がドリブルで攻め上がり浅野選手へパス。浅野選手がドリブルでキーパーをかわしゴールへ蹴りこむ。
- ここでVARチェックが入りセレッソが攻撃していた場面でハンドがあったかについて交信。荒木選手に当たった場面、佐々木選手に当たった場面、川辺選手に当たった場面。3つの場面があったがハンドの判定にはならず、オンフィールドレビューも行わずゴールを認めた。
- このシーンについて議論
平畠さんの見解
【荒木選手に当たった場面】
- これは、ハンドを取るのは難しいのではと思っている。
- 手に当たっているかは微妙な感じがする。
【川辺選手に当たった場面】
- 手が動いているが、ボールの勢いで動いていると思う。ハンドと言われたらそうかなと思うが、避けるのは難しいのでは
原さんの見解
【荒木選手に当たった場面】
- 難しいけれども、ハンドを取られてもおかしくない
- 後ろを向いて広がっており、ゴール方向に向かっていることからハンドを取られてもおかしくないと思う。
【佐々木選手に当たった場面】
- かなり腕も気を付けている感じもあるし、当たっているのは肩ぐらいなので、これはハンドでは無いと思う。
【川辺選手に当たった場面】
- これは避けられなかったと思うので、ハンドを取らなくて良かったのでは、
廣嶋さん(JFA審判S級インストラクター)の見解
【もし仮にハンドがあったと仮定した場合、遡れるのか】
- このシーンで言ううとまず得点があった。キックオフがされてしまうと遡れないがそれまでであれば、この状況では遡れると思う
【荒木選手に当たった場面】
- 非常に難しいシーンだとは思う。審判の中でも分かれると思う。
- まず、右側にくるボールに対して右足に出して守備にいっている。右手が広がっていて右手に当たったのであれば確実にハンドだと思う。
- 左手については後ろに飛んできており、自分の予測とは外れて、体をターンした中で当たっているので、そこで判断が分かれる要素がある
- 体の動きとして自然か不自然かというと体の動きとしては不自然ではないがシュートブロックとしては、手が当たらないように配慮しなければならない状況
- 予測できないボールなのでハンドは取れないと判断するか、配慮しなければならない状況で自分の体のところに飛ぶとわかっていると判断する人もいるので分かれると思う
- ハンドを取られても仕方が無いと思うが、ハンドを取られないのも理解できる。
【佐々木選手に当たった場面】
- これは肩だと思う。腕には当たっていないと思う。
【川辺選手に当たった場面】
- これはノーハンドだと思う。
- 一番はディフェンスの選手は、ボールが蹴られることに対して積極的にブロックしに行っているわけでは無い
- 自然に手を垂らしている状況であるのでハンドと言う風にはできないと思う。
- これは審判の中でもハンドでは無いと判断すると思う。
【オンフィールドレビューすべきだったのではという意見について】
- 川辺選手のハンドについては、主審の判断になるのでオンフィールドレビューされない
- 荒木選手のハンドについては、オンフィールドレビューをして判断したほうが多くの人の納得感を得られたのではとは思う。
- ただ、主審が左手に当たっていることがわかっており、不自然な手の広がりでは無いと判断したと明確に答えたのであれば、VARとしてはオンフィールドレビューをしないという判断も起こってくると思う。
【川辺選手のハンドの場面は、APPとして考えられるか】
- あそこは、APPに入ると思う。あそこでポジションが変わっている、時間は少し経ったがあそこがカウンターの拠点じゃないかと思う。
- VARもチェックしていると思う。
事例2:J1リーグ第15節 横浜F・マリノス 対 柏レイソルの事例
- 右サイドボールを受けた江坂選手が浮き球のパス。このパスに細谷選手が走りこむがチアゴマルティンス選手に倒された場面。
- 主審はファールを取りチアゴマルティンス選手にイエローカード提示。
- 細谷選手の前には、ゴールキーパーしかいないため、DOGSOでレッドカードを出すべきだったのではとも考えられる。
- イエローカードの判定は正しかったのか、このシーンについて議論
平畠さんの見解
- 4要件をみたすところで言うと、たぶん最後のところだと思うが、ぼくはコントロールできるような気がするので、DOGSOの4要件を満たしていると思う。
【Twitterの意見】
- チアゴ選手のファールはDOGSOではないでしょうか、江坂選手のパスにチアゴ選手が先に触れましたが、結果的に細谷選手がキープできる可能性のあるボールだったように見えます。細谷選手がキープできないと判断した理由があれば知りたいです。
原さんの見解
- 最初に触ったのはチアゴ選手。その後の状況が細谷選手に体が入れ替わっている
- 最終的には、DOGSOの4要件に当てはまったと考えるのが自然ではないかと思う。
廣嶋さん(JFA審判S級インストラクター)の見解
- 個人的な判断としてはDOGSOだと思った。
- ただ、一番はボールのコントロールの可能性について疑問を持ったと思う。
- 最後にボールに触れたのがディフェンスの選手だった。細谷選手はその時にはコントロールできていない状況で疑問を感じたので一段かい下げてイエローカードにしたと思う。
JUDGEMENT ONE POINT LESSON
- 競技規則や判定において知っておきたいルールを取り上げて解説していくコーナー
- 今回のテーマは、「入れ替わりのオフサイド判定」
事例3:J1リーグ第15節 アビスパ福岡 対 湘南ベルマーレの事例
- 湘南のカウンターの場面。中村選手が前線にフィード。名古選手が完全にフリーで抜け出しゴールを奪った。
- 明らかに名古選手のオフサイドと思われたが、リプレーで見るとオフサイドラインギリギリでの飛び出しとなり副審の判定はノットオフサイド
- VAR介入も無くゴールと認められた。
廣嶋さん(JFA審判S級インストラクター)の解説
- 副審のかたがぼーと見ていたのではなく、アラートな状態を維持していた。
- いつディフェンスの選手がラインを上げるのかを一番気にしている。
- ボールと選手の両方を見れる角度に体を持っていく工夫をしていた。
- ラインとボールと主審を必ず視野に入れたいというふうに思っていた。
- プレーの予測という事することを意識したらよいと思う。
平畠さんの意見
- あれを肉眼で見極められたのはすごいと思う。かなり入れ替わった形だったので普通の考えであればオフサイドだと思うと思う。
まとめ
今回は、2021年5月25日に配信されたJリーグジャッジリプレイ#12の事象についてまとめてみました。
今回の「JUDGEMENT ONE POINT LESSON」戻りオフサイドという事で副審になった場合のオフサイドを見極める方法について解説しています。
お父さん審判員の方は参考にして頂ければと思います。
今回のジャッジリプレイでも思ったのですが、オンフィールドレビューを行う機会がJリーグ開幕当初に比べ少なくなってきたような気がします。
VARの確認時間の短縮含め、工夫しているのかもしれませんが、今回の議論でもあったようにオンフィールドレビューしたほうが早い場面もあり、納得感もあると思います。
まだまだ、VAR1年目ですので今後も改善していくと思います。難しい判定だとは思いますが、皆が納得感のある方向に改善されていくことを願いたいと思います。
今後も、ジャッジリプレイを拝見しながら勉強していきたいと思います。
参考:本日の用語について
APP【ATTACKING POSSESSION PHASE】
- 攻撃側チームがボールを保持し攻撃に移る局面
- 得点、PKとなる、また決定的な得点の機会阻止の反則が起こる前に、VARが攻撃側の反則があったかどうかをレビューすることが可能な範囲
DOGSOとは
DOGSOについては、下記ページにまとめておりますので、参考にしてください。