はじめに
本日は、2021年6月15日に配信されたJリーグジャッジリプレイ#15で放送された事例をまとめたいと思います。
今回の「JUDGEMENT ONE POINT LESSON」のテーマは、2021-2022 サッカー競技規則改正の適用開始日が6月19日(土)という事もあり、「競技規則改正にともなう守備側のハンド」となっています。
競技規則改正にともないどのように変わったのか解説しているので、参考にして頂ければと思います。
今後もJリーグジャッジリプレイを通して、サッカーのルールを学んでいきたいと思いますので、皆さんも参考にしていただければと思います。
DAZNのJリーグジャッジリプレイとは
- 毎週火曜日に更新
- 週末のJリーグで起こった事象(判定)についてSNSで反響のあったプレーをわかりやすく解説
- 司会は桑原さん、Jリーグ副理事長の原さん、Jリーグウォッチャーの平畠さんも出演
2021年6月15日配信のJリーグジャッジリプレイでの事例
- 2021 J2リーグ第18節 アルビレックス新潟 対 ファジアーノ岡山の事例
- 2021 J3リーグ第11節 カターレ富山 対 ロアッソ熊本の事例(JUDGEMENT ONE POINT LESSON)
Jリーグジャッジリプレイの映像
事例1:J2リーグ第18節 アルビレックス新潟 対 ファジアーノ岡山の事例
- 岡山の攻撃の場面。喜山選手が縦パスを送り宮崎選手がワンタッチで上門選手へ、上門選手がそのまま抜け出しゴールを決めた。
- このゴールの判定に新潟の選手が抗議。
- リプレーで見ると宮崎選手がつないだ時点で上門選手は明らかにオフサイドポジションだったが、判定は変わらずゴールのままとなった。
- 今回は、このプレーについて議論
平畠さんの見解
【この判定について】
- 上門選手も喜山選手からのパスを受けようとして動いているので、そこに焦点がいってしまったのだろうなという感じがする。
原さんの見解
【この判定について】
- 確かにアシスタントレフリーから見れば、最初のキッカーのところを見ているのは、まずはそうだと思う。
【J2リーグにVARの導入について】
- お金の問題は確かにあるけれども、VARを研修して審判をどんどん増やしていくスピードがなかなか間に合わない。
- 審判の数の問題もある。
- J2だけでは無く、J3もという事になると結構ハードルはまだまだあるけれどもFIFAの方でも簡易的にVARが出来ないかの議論もされているようで、その情報も仕入れながら対応していきたいと思う。
廣嶋さん(JFA審判S級インストラクター)の見解
【ゴールだったのかオフサイドだったのか】
- これは100%オフサイドである。
【オフサイドを見逃した理由は】
- 宮崎の選手が触った時点オフサイドであるということは、難しくない事象だと思う。なので、一般の方から見たら副審が大きなミスをしたと考えられると思う。
- スルーパスを送るような形で喜山選手がパスを送った。その時に上門選手へのスルーパスであると考えた可能性が高いと思う。
- 副審はこの時点ではオフサイドは無いという頭でプレーを追ってしまった。
- その結果として上門選手がオフサイドポジションに入ったことが頭の中のスイッチに入らないままプレーを追ってしまった。ということがミスの原因の一つとして考えられる。
- もう一つは、動きとして上門選手の飛び出しに対して遅れてしまうと上門選手が受けて中におりかえすときに正しくラインにつけないとか、ラインぎりぎりでボールをタッチした時に、ラインのイン、アウトがわからなくなるという事があるので、遅れたくないと思ってしまう。
- 前を向いてフルダッシュをする準備をしてしまう。そうすると中のフィールドのプレーを全く見ない状況が見えてしまう。
- こういったことが、明らかな、単純なミスを引き起こしてしまう原因としてあると思う。
【このようなことが起こらないコツについて】
- ボールが自分の左側方向にあるときは、完全に体をゴール方向に向けないという事を意識していた。
- そうすると中の状況が視界に入ってくるので、ずっと意識はしていた。
【VAR審判の育成について】
- VARが介入するかというところの判断とか、どこをチェックするかの判断とかとなると、今のJ1の笛を吹ける審判の見極めができる人でないと難しい。
JUDGEMENT ONE POINT LESSON
- 競技規則や判定において知っておきたいルールを取り上げて解説していくコーナー
- 今回のテーマは、「競技規則改正にともなう守備側のハンド」
- 2021-2022 サッカー競技規則改正 適用開始日:6月19日(土)(明治安田生命J1・J2・J3リーグ)
事例2:J3リーグ第11節 カターレ富山 対 ロアッソ熊本の事例
- 富山の田中選手が前線へフィード。そのパスを熊本の酒井選手の頭をかすめたボールがワンバウンドして菅田選手の腕に当たりハンドの判定。
- この場面は、当たった場所がペナルティエリアの外と判断されフリーキックとなった。
平畠さんの見解
【新しい競技規則ではハンドとなるか】
- ブロックしに行っているわけでは無く、急にボールが来た感じなので、ハンドでは無くなるのではと感じがする。
原さんの見解
【新しい競技規則ではハンドとなるか】
- ハンドでいいのでは
- 結構距離があるし、コースが変わって難しいとは思うが、少し時間と距離があるので、ハンドでフリーキックがちょうど良い。
廣嶋さん(JFA審判S級インストラクター)の見解
【新しい競技規則ではハンドとなるか】
- 個人的には、ハンドだなと思う。
- 前で飛ばれているので、あのボールが急に現れたのであれば、ハンドでは無いが、ただ、距離が少し気になっていて、距離は十分にあるし、バウンドしてからここに来ると判断できる時間があると思った。
- であれば、ボールが当たる場所に手を持って行ってはいけないと思った。
- ただ、そこが距離感とかでもう少し距離が短かったらその対応は無理だなというところで判断が分かれる部分だと思った。
まとめ
今回は、2021年6月15日に配信されたJリーグジャッジリプレイ#15の事象についてまとめてみました。
事例1で話題となっておりましたが、VARの簡易版である「VAR Lite」について議論されているようです。VARについては、これからも色々変わってくるかもしれません。
2021-2022 サッカー競技規則改正 適用開始日が6月19日(土)と丁度今週末の試合から適応になるようです。
ハンドについては、競技規則が変わっても議論が尽きないと思いますが、今後も、ジャッジリプレイを拝見しながら勉強していきたいと思います。
参考:本日の用語について
VARとは
VARについては、下記ページにまとめておりますので、参考にしてください。
関連記事:2021シーズンVAR導入内容について
VAR Lite(簡易版)について
- FIFAの承認を受け、イングランド2部リーグで導入される可能性がある。
- 最低4台以上のカメラと追加の審判が必要。
- 最低3台以上のカメラとより少ない人員を用いたシステムについて、北アイルランドリーグとウェールズリーグがトライアルの実施を希望している。
第12条 ファウルと不正行為 ボールを手または腕で扱う【抜粋】
- 競技者の手や腕にボールが触れることのすべてが反則にならない。
- 手や腕の位置が、その状況における競技者の体の動きによるものでは無く、また、競技者の体の動きから正当でないと判断された場合、競技者は不自然に体を大きくしたとみなされる。