はじめに
本日は、2021年10月26日に配信されたJリーグジャッジリプレイ#32で放送された事例をまとめたいと思います。
今回の「JUDGEMENT ONE POINT LESSON」では、「2Dラインのオフサイド判定」について解説して頂いています。
今後もJリーグジャッジリプレイを通して、サッカーのルールを学んでいきたいと思いますので、皆さんも参考にしていただければと思います。
DAZNのJリーグジャッジリプレイとは
- 毎週火曜日に更新
- 週末のJリーグで起こった事象(判定)についてSNSで反響のあったプレーをわかりやすく解説
- 司会は桑原さん、Jリーグ副理事長の原さん、Jリーグウォッチャーの平畠さんも出演
- 今週もリモートでは無く、スタジオでの番組配信
2021年10月26日配信のJリーグジャッジリプレイでの事例
- 2021 J1リーグ 第33節 FC東京 対 鹿島アントラーズの事例
- 2021 J1リーグ 第33節 FC東京 対 鹿島アントラーズの事例
- 2021 J1リーグ 第33節 湘南ベルマーレ 対 横浜FCの事例
- 2021 J1リーグ 第33節 セレッソ大阪 対 横浜F・マリノス(JUDGEMENT ONE POINT LESSON)
Jリーグジャッジリプレイの映像
事例1:J1リーグ 第33節 FC東京 対 鹿島アントラーズの事例
- 鹿島アントラーズのコーナーキックの場面。
- 町田選手のシュートがディエゴオリベイラ選手に当たると関川選手との接触があり、二人が倒れこむ。
- このシーンで鹿島の選手がファールをアピール。
- 町田選手のシュートがディエゴオリベイラ選手の左腕に当たっており、こぼれ球に詰めた関川選手右足をディエゴオリベイラ選手が蹴っているようにも見える。
- 結局2つのプレーはファールにならなく、VARの介入も無かった。
- この判定は正しかったのか。このシーンについて議論
平畠さんの見解
【このシーンについて】
- ハンドのところは鹿島の選手がアピールするのはわかる気がする。ただ、今のルールで行くと微妙かなという気がする。
- どちらかというと後の方が、もしかしたらPKになるかなという気がした。
- 蹴ったという形になっているかなという気がする。
【Twitterコメント】
- 三竿選手のボレーシュートがディフェンスの手にあたったもののノーハンド、その後のプレーで関川選手が、ディエゴオリベイラ選手を蹴った格好になりましたがノーファール。VARとの交信もあったと思いますが、なぜどちらもノーファールなのですが?
原さんの見解
【このシーンについて】
- ハンドについては、カイキ選手が直前までディエゴオリベイラ選手の手を引っ張っていて、話したところに当たって、意図的に何かしようとしたものではないと思う。
- その後の、関川選手を蹴ったものは、結果から言えばPK。
- ハンドは仕方が無いけれども、足で蹴ったのはPKだと思う。
奥谷さん(元国際審判員)の見解
【このシーンについて】
- ハンドについては、不自然な位置に手があったわけでは無く、逆によけようとしたところにボールが当たったように見えるので、これはノーハンドの判定で正しかったと思う。
- ディエゴオリベイラ選手の足が関川選手の足にヒットするのは、関川選手の足裏が気になる。
- 結果的に足の裏を相手に見せて危険な状態になったという風な判断をされたのではないかと思う。
- 関川選手は先にボールにコンタクトしているけれども、危険であるというところでディエゴオリベイラ選手ファールにはしなかったと思う。
【ベストの判定は】
- 関川選手に対してイエローカード。ディフェンス側のフリーキック。
事例2:J1リーグ 第33節 FC東京 対 鹿島アントラーズの事例
- 町田選手のフィードに上田選手が走り込み、GKの児玉選手と接触。接触したところで主審の笛が吹かれる。
- 主審は児玉選手のファールを取り一度PKを指示したがオフサイドディレイを確認し、オフサイドの判定に変更。
- FC東京ボールのフリーキックで再開となったが、児玉選手にはイエローカードが提示された。
- オフサイドディレイで流したプレーに対して、カードが出すことが出来るのか、児玉選手のプレーがイエローカードに相当するプレーだったのか議論
平畠さんの見解
【児玉選手のプレーがラフプレーかについて】
- プレーに対する選手たちの反応がナーバスになっているなという雰囲気は感じたが、今のはイエローカードになるのかなと感じはした。
- オフサイドディレイが無かったらPKなので、そうは感じなかった。
【Twitterコメント】
- イエローが出たということは、オフサイドが無ければPKだったのでしょうか?私は、児玉選手の間合いに上田選手が突っ込んでの接触なので、ファウルじゃないと思いますが・・・
原さんの見解
【児玉選手のプレーがラフプレーかについて】
- 上田選手もキーパーのところに詰めていく。上田選手がキーパーに危害を与えようとしていた状況では無かった。
- 最初はファールでは無いと思っていたが、よく見ると児玉選手の足の裏が上田選手の腰からももに当たっている。
- 結果的に上田選手はぶつかっていない(途中で止まった)状況で足の裏が当たっているので、そこを見たのだと思う。
- PKになってもおかしくないと思う。
【このシーンのベストなジャッジは?】
- 難しい。児玉選手の気持ちの中にどこか避けろよという気持ちがどこかあったと思う。
- 足の裏を上田選手に見せない飛び方もあると思う。これが重要な点。
- 違う飛び方ができたのに、あえて足の裏をちょっと出したと見える。
- 取られてもしかたがない。
奥谷さん(元国際審判員)の見解
【オフサイドディレイで流していてもイエローカードを提示できるか】
- これは、出すことが可能。
- 無謀なプレー、ラフプレー。著しく不正なプレーでレッドカードになるようなプレーについては、オフサイドディレイであってもカードを出せるとなっている。
- SPAやDOGSOのタクティカルファールの場合は、カードは出ない。
【このプレーについて】
- やや厳しいという感じはあるけれども、児玉選手の足の上げ方が不自然で接触して吹かれても仕方が無いかなと思った。
- 吹くのであればラフプレーという判断もある。
- 補給の時の接触の仕方が不自然だというふうに見える。
事例3:J1リーグ 第33節 湘南ベルマーレ 対 横浜FCの事例
- 松尾選手の石原選手を抜き去ろうとするがペナルティエリアに入ったところで松尾選手が転倒。
- 主審の笛はならず、ノーファールの判定。
- リプレイで見ると松尾選手の体は完全に石原選手の前に入っており、その流れの中で松尾選手の後ろ脚に石原選手の足が当たって転倒している。
- VARチェックは入ったが、結局ノーファールとなった。
- 続いては、このシーンについて議論
平畠さんの見解
【このシーンについて】
- 本当に微妙かなという感じと、足はかかっているのではないかなという気はするけれども、ちょっと松尾選手の倒れ方がちょっと気になるかな
- 貰いにいくでは無いが、ちょっと飛んだ形に見えた。
【平畠主審なら吹くか】
- 勢いで吹いてしまうけれども、VARから指示受けて間違っていたというかもしれない。
原さんの見解
【このシーンについて】
- 石原選手、この番組見てるね。
- 後ろから手を出すとダメだというのがあるから、途中で止めて何とかやろうとしている。それが審判には印象が良くて、入れ替わった時に、松尾選手がちょっと内側に踏み込んだ左足がちょっと当たってはいるが、これをどう取るかというと事だと思う。
- 石原選手はタックルをペナルティエリアの外でするべきだった。松尾選手はペナルティエリアに入ったら、もう一歩いけたらもっと良くなるだろうなと思った。
- 自分が審判だったらPKを取らない。
奥谷さん(元国際審判員)の見解
【このプレーについて】
- ノーファールの判定。
- 些細な接触、シュミレーションのように見えた。
- 左足が自分の足に引っ掛かってのダイブになったが、いづれにしても接触自身は、些細であって、取らない
- VARも検証したと思うが、主審とVARの意見が大きく食い違っていなかったと思う。
JUDGEMENT ONE POINT LESSON
- 競技規則や判定において知っておきたいルールを取り上げて解説していくコーナー
- 今回のテーマは、「2Dラインのオフサイド判定」
事例:J1リーグ 第33節 セレッソ大阪 対 横浜F・マリノス
- キムジンヒョン選手のパスを藤田選手が受け、前線にスルーパス。
- このボールに走りこんだ松田選手が持ち込み中央へ送ると最後は、加藤選手が合わせてゴールネットを揺らす。
- ただ、加藤選手がオンサイドだったかは微妙でこのシーンではボールの先端がオフサイドラインとなるが、JリーグのVARでのオフサイドラインは、2Dのため地面にしかラインが引けない。
- 前傾になっている加藤選手の肩やひざがラインより前かは、正確には判断できない。
- このシーンではオフサイドではないかという意見が多く寄せられていた。
- 結果、VARの介入も無くゴール判定そのままとなった。
2Dと3Dの違い(桑原さん解説)
- 2Dは、ピッチ上地面にしか線が引けない。
- 3Dは、前に出ていたと思われる肩やひざからピッチ上に対して垂直に線をおろしてオフサイドラインが引ける。
奥谷さん(元国際審判員)の解説
【現状のJリーグの2Dラインシステムでのオフサイドのジャッジについて】
- かなり細かく厳密に判定することは難しい。
原さんの解説
- いろんな費用の問題とかあるけれども、大事なのは、VARもチェックしているので、ゴールなのであれば、それを出すべきだと思っている。
- VARが入っているけれども、皆もやもやしているという事であれば、ゴールシーンなので、やれる範囲の中で引いてこれはオンサイトなんだと判定しているわけだから、現状の出来る範囲の中で出すべき
- 出さないから、このような問題が起きていると思う。
- 現状、審判委員会とも議論している。
まとめ
今回は、2021年10月26日に配信されたJリーグジャッジリプレイ#32の事象についてまとめてみました。
「JUDGEMENT ONE POINT LESSON」では、2D、3Dのオフサイドラインについての解説がありました。
今まであまり気にしていませんでしたが、オフサイドについて、かなり細かく厳密に判定することは難しいという問題があるようです。
ただ、原さんからの解説にもあるように現状議論はしているようですので、今後は変わってくるかもしれません。
オフサイドについては、2022年夏に「手や腕を除く身体の一部が、相手の選手と同じラインに残っていれば、その選手はオフサイドポジションではない」に変更される予定であるとの報道も出ています。
今後どのように決定されるかはわかりませんが、正式決定を待ちたいと思います。
これからも、いろいろな見解や議論があると思いますが、今後もジャッジリプレイを拝見しながら勉強していきたいと思います。
最後まで内容を確認して頂き、ありがとうございます。
参考:本日の用語について
SPA(スパ)とは?
- STOPPING A PROMISING ATTACKの略
- 相手の大きなチャンスとなる攻撃を阻止する事
DOGSOとは?
DOGSOについては、下記ページにまとめておりますので、参考にしてください。