はじめに
本日は、2021年6月29日に配信されたJリーグジャッジリプレイ#17で放送された事例をまとめたいと思います。
今回のJリーグジャッジリプレイでは、VARでの判定が多かった事もあり、湘南ベルマーレ 対 柏レイソルの事例が取り上げられております。
今後もJリーグジャッジリプレイを通して、サッカーのルールを学んでいきたいと思いますので、皆さんも参考にしていただければと思います。
DAZNのJリーグジャッジリプレイとは
- 毎週火曜日に更新
- 週末のJリーグで起こった事象(判定)についてSNSで反響のあったプレーをわかりやすく解説
- 司会は桑原さん、Jリーグ副理事長の原さん、Jリーグウォッチャーの平畠さんも出演
2021年6月29日配信のJリーグジャッジリプレイでの事例
- 2021 J1リーグ 第20節 湘南ベルマーレ 対 柏レイソルの事例(攻撃側のハンド)
- 2021 J1リーグ 第20節 湘南ベルマーレ 対 柏レイソルの事例(守備側のハンド)
- 2021 ACLグループG 第2戦 名古屋グランパス 対 浦項スティーラーズの事例
Jリーグジャッジリプレイの映像
事例1:J1リーグ 第20節 湘南ベルマーレ 対 柏レイソルの事例(攻撃側のハンド)
- 湘南のスローインの場面。スローインを山田選手がシュートしこぼれ球をタリク選手が押し込む。
- 主審がオンフィールドレビューを行ったところ、ディフェンスの跳ね返りがタリク選手の右腕に当たっており、ハンドの判定でゴールは取り消しとなった。
- 今回は、ハンドの判定が妥当だったのか、このプレーについて議論
平畠さんの見解
【このシーンについて】
- ハンドになってしまうのかなと思うが、あれは避けれないと思うし、意図的にその手で触ろうとしているようには見えないので、なかなか厳しいな、ハンドになっちゃうのかという印象
【町野選手のハンドについて】
- 映像を見てしまうとハンドだなという感じはすごくする。
【Twitterの意見】
- 柏の選手に当たったボールが跳ね返ってタリク選手の手にボールが当たってしまったように見えます。故意のプレーとは思えないのですが、何故ハンドの判定に
- 肩にも見えたのでハンドの範囲を教えて欲しい(町野選手のハンドについて)
原さんの見解
【このシーンについて】
- これがタリク選手がディフェンダー側だったらハンドでは無いと思うが、今の新しいルールの解釈だと攻撃側が当たった直後に得点の場合は、ハンドを取るとなってしまっているので、意図的では全く無いと思うが、今のルールではハンドに取られてしまうと思う。
【町野選手のハンドについて】
- これは、本当に難しいと思う。これが明らかな間違いかどうか、ちょっとどうしても雨なので肩を動かす。腕に当たってはいるが、肩にも見える。
- 止めているところを見ると、当たっている部分は肩で静止画で見ると腕にもあたっているように見える。
- これはゴールに決めてあげたかったなと思うくらい良いシュートだった。
廣嶋さん(JFA審判Sインストラクター)の見解
【ハンドであるかどうか】
- ハンドになるというふうに考えます。
- 腕の位置だどうであれ、腕または手にボールが当たった直後にその選手が得点をあげた、あるいは、直接ゴールに入った場合は、得点を認めない。
- そのため、取り消しが正しい判定。
【タリク選手では無く別の選手がゴールした場合】
- 得点の機会という言葉が無くなったので、当該選手でなければ得点は認められる。という事になる。
【競技規則が変わった時に受けた説明】
- football expectation というサッカーが期待しているものの中に腕に当たって得点を認めるという事は、サッカーは期待していない。という説明があった。
【町野選手のハンドについて(現在のハンドの範囲について)】
- これは、まさに当たった部位の問題だけになる。
- 肩であってもボールの軌道に腕を伸ばさないと持っていけない。その中で腕というところにボールが当たるとハンドになってしまう。
- 微妙な部位であるが、腕に当たっていると思う。
- ハンドの取り消しは正しい判定だったと思う。
事例2:J1リーグ 第20節 湘南ベルマーレ 対 柏レイソルの事例(守備側のハンド)
- 北爪選手が走りこんでボールに追いつきグラウンダーのクロス。
- こぼれ球を三原選手がシュート。ここで柏の選手達がハンドをアピール。
- リプレーで見ると三原選手のシュートが石原選手の左腕に当たっているように見えるが、主審はハンドを取らず、VARの介入も無かった。
- ノーハンドの判定が妥当だったのか、このプレーについて議論
平畠さんの見解
【このハンドのシーンについて】
- 体につけて、ハンドにならないようにしようというように見えたし、ハンドじゃなくていいかなと思う。
- 攻撃側からするとVARを見てくださいという気にはなる。
【Twitterの意見】
- 柏のシュートが湘南ディフェンスの手に当たったように見えますが、PKになりませんでした。これは新ルール適用の事象なのでしょうか。不自然では無いと思いますがやや広がっているようにも見え、腕に当たっていなければ枠を捉えていたと思います。
原さんの見解
【このハンドのシーンについて】
- ハンドじゃないで良いと思う。
- 石原選手は、むしろ腕組むかというぐらい気を使っている。組むまでは行かずそろえてあった腕に斜めになった時に当たってしまった。というだけ
- 広げていたりすると取られると思うが、ほぼ体にくっつけていたし、腕を上げていたわけでは無いので、あれは、新しいルールでは取らないとしているので、全くハンドでは無いという事で多々しいと思う。
廣嶋さん(JFA審判Sインストラクター)の見解
【このハンドのシーンについて】
- ハンドでは無いと思う。
- ただ、ノーマルスピードで見たときに、ハンドを取られる可能性があるのではとは思った。
- シュートを打たれる時に、スタンディングの時は腕を後ろに持って行っていた。体を投げ出したときに左手だけが離れてしまって、最後は浮いているように見える。
- ボールが当たった後の手の動きが体から離れているように見えるシーンだと思う。
- この手が配慮されていなかったと見るのは無理があると思う。
- ハンドでは無いという判定が妥当であると思った。
【今回の改正について】
- 説明の中に、シュートブロックに行くときにすでに体側から離れているか。
- シュートを打った直後にここに飛んでくるであろうというコースに対して腕や手を動かす動きがあったかのか
- という言葉が説明の中に入ってきている。
- そういうところで言うとシュートを打たれる前は、体側につけていたと思う。打たれた直後に離れた手がシュートコースに持って行ったというふうには、見えないのではないかと考えた。
【逆の判定の場合、VAR介入があったか】
- 主審が明確に答えられたかどうかというところ。
- 主審がシュートを打った時に手が離れていたという判断をした場合、オンフィールドレビューを進める可能性はある。
事例3:ACLグループG 第2戦 名古屋グランパス 対 浦項スティーラーズの事例
- 名古屋のフリーキックの場面。相手のクリアをマテウス選手がつなぎ、柿谷選手から山崎選手へ
- 山崎選手がワントラップからシュートを放つとシン グアンフン選手の腕に当たりハンドの判定。名古屋にPKが与えられ、シン グアンフン選手には2枚目のイエローカードで退場の判定。
- リプレーで見ると、腕には当たっているが、当たった瞬間に手を大きく広げているわけでは無く、大きなバリアでは無いように見える。
- このシーンについて議論。
平畠さんの見解
【このハンドについて】
- 主審もいいところで見ていたので、手には確実に当たっているが、難しい。
- バリアにするために、手を広げているわけでは無いなという感じはすごくする。
- ハンドでも良いと思うが、カードは出さなくても良かったのではないかと思う。
原さんの見解
【このハンドについて】
- 対応がディフェンダーでは無く、キーパーのような対応になっている。
- 逆方向にボールが来たので体ごと行こうとしたがその時の手で防ぐみたいな感じになってしまっている。
- キーパーがセービングしているみたいになっているので、ハンドと言われたらハンドになってしまう。
- 2枚目なのであればカードは出さなくてもなというのがある。
廣嶋さん(JFA審判Sインストラクター)の見解
【このハンドについて】
- ノーハンドと判断した。
- 左手が配慮していたかどうかが一番のポイント。
- 腕を体につけに行っている動きがあったので、実際についていて、腕がちょっとだけ離れたがこれを配慮していなかったと判断するのは厳しいなと感じた。
まとめ
今回は、2021年6月29日に配信されたJリーグジャッジリプレイ#17の事象についてまとめてみました。
柏レイソルの事例について、実際にDAZNで観戦している時は、VARが無ければ得点になっていたと思うようなプレーだっと感じました。
ハンドの判定は難しく、改定直後だったこともあり理解が追いついていない状況だったように思います。
柏レイソルを応援している立場としては、今回の解説でVARがあり、正確に判定して頂けたことは、良かったように思いますが、ハンドの判定は議論が絶えないと思いました。
これからもハンドの判定については、色々な議論になると思いますが、今後も、ジャッジリプレイを拝見しながら勉強していきたいと思います。
参考:本日の用語について
JFA 2021/22年の競技規則改正について【抜粋】
- 競技者が次の状況に至った場合、ハンドの反則になる。相手チームのゴールに
- 偶発的であっても、ゴールキーパーを含め、自分の手や腕から直接得点する。
- 偶発的であっても、ボールが自分の手や腕に触れた直後に得点する。