はじめに
本日は、2021年8月31日に配信されたJリーグジャッジリプレイ#24で放送された事例をまとめたいと思います。
今回は、バックパスの解釈について議論が取り上げられています。
今までの考え方を改める必要がある解説でしたので、参考にして頂ければと思います。
今後もJリーグジャッジリプレイを通して、サッカーのルールを学んでいきたいと思いますので、皆さんも参考にしていただければと思います。
DAZNのJリーグジャッジリプレイとは
- 毎週火曜日に更新
- 週末のJリーグで起こった事象(判定)についてSNSで反響のあったプレーをわかりやすく解説
- 司会は桑原さん、Jリーグ副理事長の原さん、Jリーグウォッチャーの平畠さんも出演
- 今週もリモートでは無く、スタジオでの番組配信
2021年8月31日配信のJリーグジャッジリプレイでの事例
- 2021 J1リーグ 第26節 ベガルタ仙台 対 FC東京の事例
- 2021 J1リーグ 第26節 北海道コンサドーレ札幌 対 名古屋グランパスの事例
- 2021 J1リーグ 第26節 サガン鳥栖 対 横浜F・マリノスの事例
- 2021 J1リーグ 第27節 ベガルタ仙台 対 サガン鳥栖の事例
Jリーグジャッジリプレイの映像
事例1:J1リーグ 第26節 ベガルタ仙台 対 FC東京の事例
- FC東京のコーナーキック。鈴木選手のキックにジョアンオマリ選手が走りこんだところでホイッスル。
- 主審は福森選手のファールを取り、FC東京にPKを与え、福森選手にイエローカードを提示。
- リプレーで見ると福森選手のジョアンオマリ選手へのプッシングのファールを取ったと思われるが、ジョアンオマリ選手の倒れ方がかなりオーバーアクションにも感じられる。
- VAR介入無しで、PK、イエローカードの判定は妥当だったのか、このシーンについて議論
平畠さんの見解
【この判定について】
- 率直な感想は微妙です。
- コーナーキックばボックスの中でちょっとした動きで反則になったりするような可能性もあるなという気もした。
- 難しく微妙な判定だなという気がした。
【Twitterの意見】
- オマリ選手が両手で万歳して倒れてPKが取られたシーン。押されて倒れたのであれば、両手をバンザイすることは身体の仕組みからありえないと思うのですが、あの判定はどういう根拠で仙台のファウルと判断されたか、解説してほしいです。
原さんの見解
【この判定について】
- これは仙台側から見れば、厳しいだろうという感じがする。
- あとは、トップスピードでいくと大げさに見えるがああいう風になる事はある。
- 仙台にはかわいそうだなというのが正直な感想。
廣嶋さん(元国際審判員)の見解
【ファールかノーファールか】
- ノーファール。
- ディフェンスとオフェンスのコンタクトはある。
- ディフェンスの選手の右手が伸びているので、主審が押したと判断したと思われる。
- FWの選手が飛ぶ前にそのタイミングがあってこれを押しているとは見えなかったのと、飛んだ後という事であれば、バランスを崩してしまうのでファールと感じるが、踏み切るもっと前に接触があったと思っている。
- あの接触でFWの選手がバランスを崩したとは見なかった。
【なぜオンフィールドレビューをしなかったか】
- オンフィールドレビューをしなければならないかという状況かというと、個人の判断としては、どのタイミングで接触しているかが大きいところだと思う。
- それであれば、VARがこれは接触しているタイミングが踏み切る前だと見れば、VARが見てみることを進めることは可能だと思う。
事例2:J1リーグ 第26節 北海道コンサドーレ札幌 対 名古屋グランパスの事例
- 宮原選手がバックパス。これがGKのランゲラック選手までころがり、ランゲラック選手がボールを掴んだところでホイッスル。
- 主審はバックパスの反則を取るが、コミュニケーションシステムを使ってコミュニケーションを取った結果。判定を変更。
- 名古屋グランパスのドロップボールで試合を再開。
- 中継の中で主審がVARと交信しているとの説明があり、視聴者からこの場面でVARが介入できるのかという疑問が寄せられている。
- 続いては、このシーンについて議論
平畠さんの見解
【VARとの交信について】
- そもそも、バックパスか青木選手が触ったのか非常に難しいシーンという気がした。
【家本さんTwitterコメント】
- 昨日の札幌対名古屋戦でのバックパスの件で、僕はBARと会話はしてませんよ。なぜならVARが主審に助言できる対象ではないからです。両副審と協議して判定を変えました。お見苦しいところをお見せしてしまい。大変失礼しました。現場からは以上です。
原さんの見解
【このシーンについて】
- ぱっと見たときにバックパスかなと思ったが、青木選手の足に当たっているかは良く見えなかったが、なんでランゲラック選手は取ってしまったのかなというのが正直なところ。
- まわりからの声もキャッチできるよという声が出ていたようにも思う。
廣嶋さん(元国際審判員)の見解
【このシーンについてバックパスを取るべきか】
- バックパスとして取るべきでは無いと感じた。
- バックパスの競技規則では、味方競技者から意図的にGKにキックされたボールを手で保持した場合となっている。
- キックというのは、英語では、footでhitするとなっていてfootというのは足首から下の部分。そこで操作しないと一つの要件が満たされない。
- ディフェンスの選手は、インサイドでボールを蹴っているので、これは要件が満たされている。
- 2つ目の要件として、GKに意図的にという部分でここが引っ掛かった部分。
- センターバックの選手にキックしたと感じた。センターバックの選手は自分自身でプレーするよりは、GKに取らしたほうが良いと判断してスルーした形になった。
- キッカーの意図はGKでは無いと判断したので、もう一つの要件が満たされないのでバックパスとはするべきでは無いと判断した。
【意図的について】
- ここは主審の判断、裁量によるところになる。
【青木選手にバックパスが当たっていた場合について】
- その場合は、当たっている度合いによる。このケースで言えば、当たっているか、当たっていないか微妙なところ、ボールの方向は全く変わっていないのであれば、ディフェンスが蹴った意図の方が重要視される。
【バックパスのルールについて】
- 足首より下でボールをキックした場合、バックパスの対象になる。ももは対象外。
事例3:J1リーグ 第26節 サガン鳥栖 対 横浜F・マリノスの事例
- 扇原選手のパスに前田選手が走りこむと樋口選手と交錯したところで転倒しホイッスル。
- 主審は、PKを取り樋口選手にイエローカードを提示。
- ここでVARが介入。主審がオンフィールドレビューを行った結果、イエローカードからレッドカードに変更となった。
- VARの介入で三重罰となったシーンでこの判定が妥当だったのか、このシーンについて議論。
平畠さんの見解
【このシーンについて】
- 樋口選手がボールにアタックする過程で足にかかっていれば、イエローカードかなと思うが、手がかかっているかなと
- ボールにチャレンジするのではなく、体を押さえに行ったという事がレッドカードになった理由かなと理解している。
原さんの見解
- レッドだと思う。
- 前田選手はシュートにいける体制にはあった。レッドになるだろうなと思う。
廣嶋さん(元国際審判員)の見解
【このシーンについて】
- DOGSOでPKでレッドカードという判定に同意。
- ホールディング、プッシングはボールに挑んでいるという事にはならないので、これは、PKにしたとしても三重罰を減ずるような対象にならない。
【初めの判定がイエローカードだったのは】
- 主審は後ろから追いながらみるので、ボールが離れていく方向に位置するので、ボールに追いつけないのではという疑問が感じてしまうケースがある。
- そこに主審が引っ掛かったので、明確ではないと判断してSPAの判断をしたと思う。
事例4:J1リーグ 第27節 ベガルタ仙台 対 サガン鳥栖の事例
- 大畑選手がクロス。そのクロスに山下選手が合わせるが、福森選手にあたりゴールラインを割り、コーナーキックの判定。
- リプレーで見ると、山下選手のヘディングは福森選手の右手に当たっているが判定は、ノーハンド。
- VARの介入も無かった。ノーハンドの判定は正しかったのか、このシーンについて議論。
平畠さんの見解
【このシーンについて】
- 確かに手には当たっているけれども、ノーハンドで良いのかなと思う。
- 競ながらの中の体勢で当たったと思う。
【Twitterの意見】
- PA内で、手を体から話した形でシュートが手に当たったので、PKではないかと思いました。ハンドのルールをわかりやすく教えてください。
原さんの見解
- これは、ルール改正の典型。
- こういうのをPKにしないために、変えたと思っているので、これで正解だと思うし、ハンドのルールはシンプルだけど簡単には説明できない。
廣嶋さん(元国際審判員)の見解
【このシーンについて】
- ハンドでは無いと思っている。
- 意図的では無いというのは、皆さん合意されている部分である。
- 偶発的な部分で、この手の位置が不自然であるかというと、これはプレイヤーの動きからくる正当な動きの中での手の位置だと思うんで、不自然ではない。
- 次にこれが、大きなバリアに該当するかというと、シュートに対してDFの選手がチャレンジしているか、立ちはだかっているかという状況が必要になる。
- このDFの選手の動きは、センターリングをプレーしようとして飛んでいるので、ヘディングシュートに対してそこに立ちはだかる動きでは無いので、大きなバリアという要件には該当されないと判断できる。
まとめ
今回は、2021年8月31日に配信されたJリーグジャッジリプレイ#24の事象についてまとめてみました。
事例4について、初見で見たときに、なんとなくノーハンドだとは思いましたが、説明を聞くと納得できるものでしたが、ハンドの判定はまだまだ難しいです。
事例2のバックパスについて、何気なく試合を見てバックパスを判断していましたが、意図的にGKにパスをしているかが重要との事で、今までに認識していなかった解釈でした。
バックパスも難しい判定であるようです。これからは、少し意識しながら試合を見てみたいと思います。
これからも判定については、海外での判定含め色々な議論になると思いますが、今後も、ジャッジリプレイを拝見しながら勉強していきたいと思います。
最後まで内容を確認して頂き、ありがとうございます。
参考:本日の用語について
DOGSOとは
DOGSOについては、下記ページにまとめておりますので、参考にしてください。
三重罰のポイント
- 三重罰とは、PK、DOGSOによる退場、次節出場停止の3つが重なること
- DOGSOの状況がペナルティエリア内で起きて、ボールにプレーしようとしているのであれば、レッドカードではなくて一段下がってイエローカードにする。
- ただし、ホールディング、プッシング等腕を使った反則の場合は、三重罰の対象になる。