はじめに
本日は、2021年10月5日に配信されたJリーグジャッジリプレイ#29で放送された事例をまとめたいと思います。
今回は、久しぶりに「JUDGEMENT ONE POINT LESSON」が復活しており、「フリーキックの壁の距離」について解説して頂いています。
今後もJリーグジャッジリプレイを通して、サッカーのルールを学んでいきたいと思いますので、皆さんも参考にしていただければと思います。
DAZNのJリーグジャッジリプレイとは
- 毎週火曜日に更新
- 週末のJリーグで起こった事象(判定)についてSNSで反響のあったプレーをわかりやすく解説
- 司会は桑原さん、Jリーグ副理事長の原さん、Jリーグウォッチャーの平畠さんも出演
- 今週もリモートでは無く、スタジオでの番組配信
2021年10月5日配信のJリーグジャッジリプレイでの事例
- 2021 J1リーグ 第31節 ヴィッセル神戸 対 浦和レッズの事例
- 2021 J1リーグ 第31節 大分トリニータ 対 セレッソ大阪の事例
- 2021 J1リーグ 第31節 川崎フロンターレ 対 FC東京の事例(JUDGEMENT ONE POINT LESSON)
Jリーグジャッジリプレイの映像
事例1:J1リーグ 第31節 ヴィッセル神戸 対 浦和レッズの事例
- 浦和レッズのコーナーキックの場面。
- 江坂選手のキックをショルツ選手が折り返し酒井選手がゴールに。ゴールが決まったと思われたが、その前にファールの判定。
- リプレーで見ると飯倉選手の顔に柴戸選手の右腕が当たっており、主審は浦和側にファールがあったとジャッジ
- 柴戸選手は、後ろにいた郷家選手に押されて飯倉選手の顔に手があたったようにも見える。
- VARの介入も無くノーゴールの判定。
- この判定は妥当だったのか。このシーンについて議論
平畠さんの見解
【このシーンについて】
- 試合を家で見ていたが、最初はなんのファールか全然わからなかった。
- 笛が鳴ったからなんのファールか探しに行く行動に自分が出ている感じがした。
- 柴戸選手の肘が当たったという事だが、その場面だけ取れば当たっているのかもしれないが、ファールでは無いんじゃなかなという気がした。
- 飯倉選手が小泉選手を押しているシーンの方が気になった。
【Twitterコメント】
- 相手を押してその影響で味方とぶつかった時、ファールになるように思えてしまい、基準が良くわかりません。コーナーキックの競り合いはある程度許容されていると思いますが、その度合いについても改めて知りたいと思います。
原さんの見解
【このシーンについて】
- いろいろ重なり合っている。
- 最終的に柴戸選手の肘が飯倉選手の動こうとしたところに顔か何かに入ってしまったので、そこのファールを取ったと思う。
- こういう場合は、スクランブルになるから味方の郷家選手と当たってたら取らなかったと思うけど、当たったのが柴戸選手だったので、ファールを取らざるを得なかったと思う。
奥谷さん(元国際審判員)の見解
【このシーンについて】
- 郷家選手と柴戸選手の接点というのは確かに競り合って影響を受けていると思うが、プレーを阻害されるほどのコンタクトでは無いと思う。
- 強く推していたらPKという事もあると思うが、それを取るほどの事でもない。
- バランスを崩した影響でキーパーと当たってしまったという事になるが、キーパーもボールを見て出ていこうとする。
- 柴戸選手もバランスを崩しながらキーパーにあたるという事で、アクシデンタルにキーパーがプレーできなくなった。
- こういう状況になったので、レフリーとしては、吹かざるをえなかったと思う。
【キーパーがプレーできない状況になると吹かざるをえないか?】
- キーパーがしっかりプレーできる状況というのは保証して上げないといけない。
- ただし、味方同士の場合は別。
【VARの介入が無かった点について】
- 得点を取り消しているので、プレーの見直しはして、主審とすりあわせはしていると思うけれども、主審の意見とVARの意見が大きく食い違いが無かったから流したのだと思う。
事例2:J1リーグ 第31節 大分トリニータ 対 セレッソ大阪の事例
- 原川選手がロングフィード。このボールは、大分の高木選手によってクリアされるが、ここで主審の笛が鳴る。
- リプレーで見るとボールを追っていた大久保選手と小出選手が交錯して転倒していたが、大久保選手の左腕は小出選手の右腕をロックした状態になっており非常に危険なプレーだった。
- 結局VARの介入は無かったが、退場になってもおかしくないプレーではという声が上がっている。
- はたして、退場とすべきプレーだったのか、このシーンについて議論
平畠さんの見解
【このシーンについて】
- 見ていて少し怖かった。小出選手がプレーを続けられたのは良かった。
- 個人的には、レッドカードという気持ちでは無いけれども、大久保選手はあそこで力を抜かなければならないんでは無いかなと思った。
【Twitterコメント】
- もし仮に主審から見えてなかったとして、なぜVARが介入しなかったがわからないです。レッドカードでもおかしくないはずですが・・・
原さんの見解
【このシーンについて】
- 競り合いの中で腕が絡まったりすることはあると思う。ただ倒れる時は、抜かないと大きな怪我で、過去に大きな怪我で肘が折れたとか肩が脱臼したりとかあると思う。
- ロックしたままは、やっぱりダメだと思う。
- 倒れる時は抜いて上げないと、あのまま固めちゃったら多分大きな怪我になってしまうので、それはたぶんやっていはいけないと思う。
- それがレッドカードになるかというと、折れたりしたらなるんだと思う。
- 結果で変わるのかという事になってしまうと思うが、あれは抜かないとだめだと思う。
- VAR介入してもおかしくないと思う。
奥谷さん(元国際審判員)の見解
【このシーンについて】
- 初めこの映像を見たときにヒヤッとした。
- よく選手が怪我をしなかったなと思った。
- 主審からは恐らくもつれて倒れたようにしか見えなかったと思う。
- だからこそ、VARが違う角度の映像をチョイスして主審に巻き込んでいて非常に危険であるとし、退場にすべきシーンだったと思う。
【VARが介入しなかった理由について】
- ちょっと悩むところ。
- 結果として怪我をしなかったからいいという判断は無かったと思うが、ジャッジとして毅然とした態度が必要だったと思う。
JUDGEMENT ONE POINT LESSON
- 競技規則や判定において知っておきたいルールを取り上げて解説していくコーナー
- 今回のテーマは、「フリーキックの壁の距離」
J1リーグ 第31節 川崎フロンターレ 対 FC東京の事例
- FCと今日のフリーキックのチャンス。
- 川崎の選手達が壁を作るが、壁の距離が近いのではとFC東京の選手たちが抗議。
- 主審は歩き直して改めて距離を測るが、8歩での計測に選手たちがさらに抗議。
- 結局主審とFC東京の選手との間でこのようなやり取りが何度かあった後、当初よりやや壁を下げてフリーキックを蹴ることになった。
奥谷さん(元国際審判員)の見解
【このシーンについて】
- 2010年シーズンまでは、バニシングスプレーが無かった。
- 壁の下げ方は、ボールから視野を放さずに下げるというのが基本だった。バックステップで13歩。
- これは普段のトレーニングの中で、9.15mは13歩と決めているので、下げさせるという事をしていた。
- 今は、バニシングスプレーでボールの位置を確認したうえで下げるので、前を向いた状態で良いと思うが、距離感はきちんと持っておかないといけないと思う。
- 今回は、少し短かったかなと思った。
【正しく距離を計測するためにどんなことをしているか】
- フィールドの中にセンターサークルであったり、PKのポイントからアークであったり、9.15の距離がある。
- 90分前にピッチコンデションを見にグランドチェックに入る。その時にもう1回、自分の歩幅と距離感を確認するということを毎ゲーム前にやっていた。
平畠さんの見解
【このシーンについて】
- 人によって歩幅は違う。
- 選手は感覚があって、ボールの空気圧が少し違うだけですぐわかる。
- 選手にとったらこれは近いでしょという感覚があったのだと思う。
- 主審のかなには、8歩で測る方も10歩で測る方もいると思う。
原さんの見解
【選手は感覚でわかるものか?】
- わかると思う。
- いつもやっているから大体わかると思う。
- 歩数8歩について言っていたが9歩とか10歩が多いと思う。
まとめ
今回は、2021年10月5日に配信されたJリーグジャッジリプレイ#29の事象についてまとめてみました。
「JUDGEMENT ONE POINT LESSON」では、「フリーキックの壁の距離」についての議論されておりましたが、最後の平畠さんのコメントの通り「9.15m」のひもで測るというのも良いかもと思いました。
また、議題にはなっておりませんでしたが、栃木SCvs大宮アルディージャ戦でのピッチ上の大宮選手が一時的に12人となる事象についても議論されておりますので、参考にして頂ければと思います。
これからも、いろいろな見解や議論があると思いますが、今後も、ジャッジリプレイを拝見しながら勉強していきたいと思います。
最後まで内容を確認して頂き、ありがとうございます。